関係人口で築く未来の農村・ブルーベリー編

     

 

【元氷見市市長林正之さんと持続可能な中山間地域づくり】

NOMACHIの理念は、持続可能な中山間地域づくり

今中山間地域では、高齢された農家さんの田畑が、耕作放棄地となる問題が深刻である。

高齢された農家さんが無くなったあと、その農地の管理をする後継者が不在なケースが後を絶たない。

せっかく天塩にかけて育てた田畑が、

耕作放棄地となったり、

獣被害があるからといって

果樹の伐採が頻繁に行われている。

NOMACHIでは、そんな中山間地域の高齢された農家に変わり、次の世代に繋ぐ活動として、

米、原木椎茸、稲積梅、そして今回取り上げるブルーベリーの栽培継承を

関係人口の人々と協働しながら行っている。

Nomachi(ノマチ) のブルーベリー畑の地主さんは、元氷見市市長の 林 まさゆき (以下林さん)さん。

今年(2025年)6月に膵臓癌でお亡くなりになられた。

ブルーベリーのネット外しを行う林元氷見市市長

 

 林元氷見市市長は、本来県職員を辞めたあとは、氷見市市長にならず、

自宅周りの花や果樹を愛でながら老後暮らしを描いていたと思われるくらい、

ブルーベリーの果樹130本以外にも、

キウイ、マスカット、栗、柿、梨、薔薇、水芭蕉、茗荷、等が、

自宅周りに植えられている。

そして、氷見市市長時代も早朝4時や帰宅後6時から

ジャージ姿で草花や果樹の手入れを行っていた。

 林さんとは、亡くなる数日前(5月末)まで私と、

メッセンジャーで連絡を行いながら

「退院して、自ら庭木の手入れをやる!」

という強い意志の元、

自分が退院してから庭木の手入れが続けられるような構想を抱き、

闘病生活を続けてられていたように感じる。

 

 

 

 

  林元氷見市市長がお亡くなりになる2週間前の会話記録

 

ブリ―ベリー以外にも林さんの庭や所有する田畑や山には、

氷見市を活性化させたいと思い行ってきた痕跡を見つけるのは容易である。

 

3月は、梅園での梅の花見。

4月は、山を切り開いで桜を植樹し、養蜂でのはちみつづくり

5月は、バラの開花

6月は、稲積梅の摘み取り

7月から9月上旬までは、ブルーベリー

9月中旬からは、栗

10月には、バラ

冬の時期は、クリスマスローズ

などなど・・・

1年を通して、

中山間地域の活性化を糸口を着実に地味に実行してており、

本当に悔やみきれない。

 

【ブルーベリー摘み取りを体験に】

林さんのブルーベリー畑に携わったのは、2022年8月に林さんがコロナになった時から始まった。

それまでは、林さんのお母さんや自ら公務以外で収穫や手入れを行ってきた。

しかし、コロナになって、自宅待機。

ブルーベリーの収穫最盛期に収穫が出来ず、

当初隣の稲積梅の梅園を管理していたNOMACHIが林元氷見市市長に変わり、

都市農村交流のブルーベリー摘み取り体験が始まった。

 

摘み取りをする林さんのお母さんのやすこさん(2024年8月)

 

2022年8月のブルーベリー摘み取り体験の様子

 

 

 

【ブルーベリー出荷】

林やすこさんは、今年(2025年)は、施設に入られて手入れが出来ない状況。

林さんのお母さんと仲良しだった2人のばあちゃんが、今毎日摘み取り作業を行ってくれている。

出荷用のブルーベリーを摘み取ってくれる近所のおばあちゃん2名

 

 お二人のおばあちゃんは、ブルーベリーを一粒一粒丁寧に摘み取るのをばあちゃんたちの好きな時間、

体調に合わせての収穫をパートではなく、

『委託』でお任せして、行って貰っている。

 

【日常管理・下草刈り】

年6回ほど、ブルーベリー畑の下草刈りは、私と関係人口の浅井世明さんが従事している。

浅井さんは、射水市から晴れていればほぼ毎日訪れ、

稲積梅の梅園とブルーベリー畑の下草刈りを自分のペースでボランティアで行ってくれている。

山側の泥濘をスコップで水路を掘る浅井さん

 

【剪定】

昨年(2024年)から、NOMACHIの関係人口のメンバーの1名が、

小矢部園芸高校専攻科園芸科に通っており、

専攻科園芸科の仲間がブルーベリーの剪定をボランティアで行ってくれている。

2024年9月5日富山新聞に掲載

 


【NOMACHIの役割】

NOMACHI の役割は、高齢化になった中山間地域の人々の出来ない部分の強化、補充。

仕分け、販売、下草刈りなどを担っている。

関係人口である ひみ里山くらぶサポーター は、ブルーベリーのような中山間地域の産物を適正価格で購入してくれるのでありがたい。

適正価格で購入してくれるのは、こうして、日々SNSでの地道な産物や地域の人々にスポットを当てた情報発信が大事。

中山間地域に住まなくても、継承しなくても出来ることは、たくさんある。

関係人口づくり、5月のタケノコ水煮工場、

6月の稲積梅に続けて

8月は、ブルーベリー。

4月9月は田植えに稲刈り。

10月以降は、里山の再生、原木椎茸づくり

まだまだ富山県中山間地域には、継承しなければならない地域資源が山ほどあるけど、

中間的に繋ぐコーディネーターがほとんどいない。

行政は、高額で仕事をしないコーディネーターばかり税金つかってアピールするけれど、

地域の衰退は加速的に進んでいる。

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