地域おこし協力隊業務以外の副業・草刈りでアルバイト
協力隊を退任後も、あちこちから仕事(アルバイト)依頼のお声がかかる。
氷見に限らず、中山間地域での高齢化は深刻であり、草刈りが出来る人は、重宝される。
また、副業での草刈りを単なる
肉体労働の雑用だと馬鹿にする学者もいるが、
私は下記理由で、違うと思う。
【地域資源発掘の糸口】
今年度は、稲積地区から草刈りや農作業を月2日程度依頼されている。
時給にしたら1000円前後だが、この草刈りや農作業を行いながら、実際に稲積地区での気付きを模索している。
農作業を1年間行っていると、四季折々地域の人々には当たり前でも、私たちよそ者バカ者にしたら、凄い気付きや宝が眠っている場合がある。
それが、その土地の宝であり、観光資源や特産品に繋がる。
これまで、私自身が作ってきた脇之谷内のキムチや床鍋の緑米、幻のフルーツ・ポポーなどといった商品は、
地域に根付いた活動をしたことで見えてきた商品の一例である。
脇之谷内の特産キムチ
また、1年その農作業を通すことで、地域の風土や特色、人柄なども見えてくる。
だから、時間を有効に使える地域おこし協力隊は、よそ者・若者・バカ者であって、
地域資源を発掘するのに適材な人材だが、継続的に地域に溶け込む活動を続けられたら本当にすごい制度だと感じている。
しかし、残念なことにこれに気づかず、農作業をバカにする行政や地域おこし協力隊は、少なくない。
富山県内での協力隊活動においても、地域に根付かず自分たちの好きなことばかりをやらせすぎたり、
単純な行政職員の補助要員で終わっている協力隊員がいるのも現状である。
先日作成したひみ里山通信は、2年間同地区で著者自身が米作りを行ったことで出来た作品です。
ひみ里山通信 第1号
今、第2号の脇之谷内キムチ、仏生寺椎茸、稲積梅、床鍋藁細工、長坂の棚田などなどについても取材を進行中。
1つの冊子を作った実績で、自分たちの地域資源に対しても冊子依頼が来ています。
冊子を作るにあたり、もちろん有償で行いますが、地域からの負担金支出を抑えても補助金や助成金を使っても可能であり、
これまで多く行政書類を作成・実施してきた私だからこそ、そのノウハウは私の独自性とするところです。
また、ノウハウについては、今後もセミナー等を開きながら多くの人々に同じように伝え地域活性化につなげてほしいです。
先日のセミナーでは、受講者が早速プレスリリースを行い、テレビ3社新聞3社からの取材依頼を受けました。
地域のコミュニケーションが取れる特効薬!
頭でっかちが多く、本書面以外にも本や各地で行われているセミナーを公聴しただけで、
理解した気になっているのは、危険すぎます。所詮薄っぺらいものであり、
やっぱり実際に体感しなければ本当の苦労が解りません。
また実際に、自分の活動拠点となる場所での地域奉仕活動を優先させたほうが、
地域の人たちから手助けだったり、支援を得られやすくなります。
地域奉仕活動を怠っていると、結局は住みづらくなり、地域を去っていきます。
氷見市地域おこし協力隊の中でも何度も引っ越しを繰り返している隊員もいますが、
地域側からの意見を伺うと「何しに来たの? 彼の活動をしらない」など地域側の期待を裏切るような意見も聞かされ、
協力隊自身の評価が下がる形となっているのが非常に残念です。
また、草刈りを行うことで、これまで接していない人や新たなお誘い等も広がります。
昨年1年間の地域おこし協力隊の活動を認めて頂いてのお誘いだと思っている。
【若者の陥りやすい田舎を去る事例】
田舎暮らしをしている若者の中には、初めは、地域の人々が優しく接してくれているが、
地域の人たち(特に年配者)との付き合いをそれ以上踏み込んだものを行わず、
自分の快適な田舎生活を満喫しようとしている場合もある。
田舎暮らしに憧れる若者で、悪意はないのだが、
自分には出来ない、
他人に迷惑をかける
からという理由で、
苦労や面倒なことを無意識に敬遠している場合もある。
地域の人が当たり前のようにやっていることが、
都会から引っ越してきた人々にとって地域の人と同じように出来ないことは、多々ある。
けれど、それを敬遠することなく、チャレンジしてほしい。
そうすれば、何年かかるか解らないが、地域に溶け込むことは可能だ!
しかし昨今の若者は、自分が出来ないものを自分が出来る範囲でと、
外部の人間(自分と感性が同じような人)を自分の家の周りで、
イベントを行うなどして、田舎を盛り上げる・活性化させていると錯覚している。
そのようなイベントでも初めは、新しいことであり、地域の人々も受け入れてくれるが、
地域の本当の問題解決にならないとなれば、次第に地域の人々も心が離れていく。
そして、地域への信頼を得られず、深く信頼関係を築けず田舎暮らしを続け、
次第に何らかの理由をつけて、田舎から去っていく。
そのような若者に、去るのは構わないが、田舎の悪口を言うのはやめてほしい。
自分がもっと溶け込む努力を怠っているのも要因としてあるのだから。
都会暮らしの若者へ
地域に溶け込むのは、一朝一夕では出来ない。
華やかなイベントをする打ち上げ花火よりも、地味な作業でも、階段を1段1段確実に上るような
地域の問題解決になる行動・行為を行い、その活動地域に自分が根付くことを常に意識してほしい。