消滅可能性都市氷見市!中心部限界集落ゴーストタウン現状と未来予測

     

氷見市の現状

氷見から始める地方創生、行政に頼りすぎない地域づくり

里山だけで盛り上げるのではなく、街中を含めて連携していかなければならない。

氷見市の街中の商店街では、ゴールデンウイークに「百縁笑店街」、不定期で「氷見夜のまちなかグル巡り」、「うみのアパルトマルシェ」などがあるが、氷見市外から訪れたくなるような商店街の賑わいづくりは、至っていない。

2017年から始まった「うみのアパルトマルシェ」においては、市外からの出展者は、そこそこ儲かりはしているが、それにあわせて、氷見の街中を回遊する導線づくりまでいたっておらず、商店街の活性化までにはつながっていない。また、開催回数は、2017年は3回、2018年は4回開催され、2019年は9月15日に開催予定だ。
うみのアパルトマルシェHP https://uminoaparutomarche.wixsite.com/uminoaparutomarche

そこで、氷見市の商店街と郊外(里山)と連携の必要性について、今回のblog投稿を行った。

以前全国を視察中に 地方にある某行政組長が、

「1次産業を大事にしなければ地域は活性化しない。商店など3次産業のみに特化しすぎると、地域は滅亡する」

と言っていたことを思い出した。

 同一市内で1次産業で品物を産み、2次産業で加工し、3次産業販売し、外部に販売すると外貨を獲得出来る。

 1次産業や2次産業で従事している人たちが儲かり、同じ市内で外食したり、日用品を購入すれば、地域内で経済は回る。

飲食店が、他の地域の安価な食材を仕入れて、同一市内の農家の野菜や漁師の魚を仕入れなければ、飲食店だけの儲けになり、地域経済は、潤滑になりにくい。

今、氷見市の街中と郊外では、郊外の人々の話をきくとそんな街中との結びつきが弱くなっているようにも感じる。

私自身、氷見のあちこちの郊外(里山)に顔を出しる。そこに住む人々の話を聞きまとめると、街中の小さな金物屋やドラックストアに行くよりも、高岡市や羽咋市や中能登町のホームセンターで購入している人々が多いということが判明した。

 

ヒアリングによる氷見の里山で暮らす人々の行きつけのホームセンター等

 

街中の人々も、全てではないが、あまり自分たちと同じ市内であるが、郊外(里山)には、興味関心が無い人が少なくない。

また氷見市では、河川流域のことを谷(たに)と呼び、谷(仏生寺川、上庄川、余川川、阿尾川、宇波川、下田川)事に各自の文化が形成されてきた。そして谷の中で生まれ育ったものの中には、他の谷(地域)のことを全く知らない人々が少なくない。

氷見市内の河川

 

RESASから読み解く氷見市の地域経済循環

上記で、郊外の人々が他市町へ買い物に出かけている現況を、RESASリーサス)を使って実証見分してみた。

RESASとは、内閣府まち・ひと・しごと創生本部が運用している、産業構造人口動態、人の流れなどに関する官民のいわゆるビッグデータを集約し、可視化を試みるシステムである。地域経済分析システムという表現も用いられる。RESASは、Regional Economy (and) Society Analyzing Systemの略である。

RESASのHPはこちらから
https://resas.go.jp

 

地域経済循環率63.9% 富山県内ワースト3位

経済産業省が公表している氷見市の地域経済循環において、

所得からの支出は、1820億円 あるが、支出による生産への還流は、1163億円

地域経済循環率は63.9%であり、地域外に657億円、36.1%も流れていることになる。

郊外の住民が、近隣市町へ購買するのも納得。

 

ここで、地域経済循環率63.9%という数字が良いのか悪いのか・・・

じつは、富山県内15市町村都市で調べてみたら、ワースト3位の13位

では、富山県内で地域住民とお店や工場が連携しあっている

富山県地域経済循環率ベスト3位は、富山市、朝日町、船橋村であった。

順位

地域経済

循環率

市町村
1位 110.6% 富山市
2位 105.4% 滑川市
3位 94.4% 射水市

 

富山市には、いろいろな物が集まってるため循環率が上位であることには納得だが、滑川市や射水市がが上位になっていることにおどろき。

では、逆に富山県内で地域住民とお店や工場が連携しあっていない

富山県地域経済循環率ワースト3位は、砺波市、立山町、氷見市であった。

ワースト順位 地域経済循環率 市町村
1位 52.3% 朝日町
2位 61.3% 立山町
3位 63.9% 氷見市

氷見市は、堂々のワースト3位

町の商店街が賑やかにするための1つとして、氷見の郊外で暮らす人々や地域間の絆をつくることも大事だと言える。

NOMACHIでは、郊外(里山)の魅力を第三者に伝える都市農村交流イベントを5年間で50回以上行い、延べ1791名の方々が参加してきました。ですが、氷見市内の街中で暮らす人々の参加率は悪い。

理由は、値段が高い? ただに慣れ過ぎている。安価ではないですが、主催するうえで最低限の必要経費分を計上しての運営。この価値を理解しあえるような市民同士の草の根運動が大事だと考えている。

他県では、商工会や地元企業が、地元の農業や林業に関わっている人々と携わりながら関係性を構築している(社会貢献活動、CSR活動)。富山県内で、CSR活動を行っているのは、全国規模の一部大手企業。CSR活動をもっと、中小企業も活発に行うことが地域内経済循環になる(巻末に説明あり)。

 

3次産業所得は、富山県内ワースト4位

氷見市1人付加価値額(2013年)

付加価値額とは、域内に所在する事業所が、事業活動を通じて新たに生み出した価値を示し、生産高(売上高)から、商品仕入高、材料費、および外注加工費を差し引いたもの。

第1次産業 第2次産業 第3次産業
付加価値額 370万円 805万円 582万円

全国順位

(1719市町村中)

254位 677位 1524位
富山県内順位 2位 7位

12位

(ワースト4位)

第1次生産業の1人あたりの所得が、370万円で、全国的にも254位であるには、事業所所得で大手農業者や漁業関係での所得が大きいのだろうか。郊外の小さな農家は、兼業農家扱いだから?また、農水省の個人所得が、1団体も=1個人?このあたりの調査不足で、再調査が必要。

第3次産業の1人あたりの所得は、582万円であり、全国的にみてもかなり悪く、富山県内においてもワースト4位(ワースト1位砺波市、ワースト2位高岡市、ワースト3位立山町)。商店街に活気がない地域が顕著に。

 

氷見の中心市街地・商店街で限界集落

私自身街は賑やかで高齢化・過疎は、里山の問題と思っていたが、

実は里山よりも氷見市内の街中においても、それ以上に過疎化が進んでいた。

今回、氷見駅から3つの街中の商店街(伊勢大町、本町、比美町)の人口推移を調べてみた。

2019年7月17日㈬ 12時40分頃の比美町商店街

ランチタイム時間だが、自動車、人の往来が無く、閑散としている

 

伊勢大町の現状と未来予測

氷見の玄関口、氷見駅、氷見市観光協会などがある伊勢大町

伊勢大町の人口においてのシュミレーションをおこなった。現段階でも準限界集落

2015年総人口は、1122名。2030年には高齢化率50%の限界集落になる予測

 

氷見市本町の現状と未来予測

旧氷見市会館や氷見市立中央図書館、北陸銀行氷見支店などがある本町

本町の人口においてのシュミレーションをおこなった。現段階でも準限界集落だが、今回3つの街中で一番元気がよい地区?。

そんな本町でも2050年には、本町において高齢化率50%を超える限界集落となる予測しているが、人口減少は、他の地域と変わりがない。

 

氷見市比美町の現状と未来予測

潮風ギャラリーや街中モニュメント、からくり時計のある比美町

 

比美町の人口においてのシュミレーションをおこなった。

2015年現在において、かろうじて準限界集落だが、

2020年には、高齢化率56%の限界集落となる予測。

氷見市比美町の人口シュミレーション

 比美町は、前市長の居住地である。私個人としては、市長として氷見市全体を見なければならなかったのだから、自分の住んでいる地域の活性化を後回しにされたのだと信じたい。しかし、落選してしまえば、一般人。県外でファシリテーターとしてご活躍されているようだが、一人の市民として比美町の活性化のリーダーシップを発揮し、地域の活性化を切実に期待したい。

 私の知っている郊外で暮らす人々で、市議会議員を落選した後のほうが、地域貢献のため活躍されている方が活き活きし、地域のために努力・貢献されている人もいる。

 

街中商店街3地区のまとめ

 郊外での人口減少は、まだ家々が点在であるため空き家があっても、なんとなく景観的に仕方ないのかなと思えるが、街中の密集した地域で空き家が2軒に1軒(常に両隣が空き家)であったり、自分の周囲10軒中8軒が空き家という現象にもなりうることが推定される。

 

参考・速川地区の現状と未来予測

以上のように氷見の街中でも限界集落の波が押し寄せているが、私がお世話になった速川地区は、

2030年に限界集落となる予想は、本町と同じような人口減少率となっている。

 

氷見市速川地区の人口シュミレーション

 

人口推移シュミレーションを知らない人から見ると「えっ」と思うが、氷見市の街中の限界集落も着実に進んでいる。

前々回に述べた、

関係人口の必要性・氷見市の人口7万人が2.1万人
/blog/18475

において、氷見市全体の人口減について述べているのは、これらの各町々の積み重ねである。

氷見の街中商店街を使わない市街地に住む人々

 私自身も高岡市と隣接している地域に住んでる。そのような里山で暮らす氷見市民は、氷見の街中に買い物に行かず、隣接する市町に買い物に行く傾向がある。

 昔と比べて街と郊外の結びつきが弱くなり、氷見の街中がRESASのデータからも判明される通りシャッター街なのも納得。

 街中の活性化に関しては、氷見市から2015年より株式会社地域交流センター企画が業務委託を行い人口増を行っているが、苦戦している。

 氷見市に限らず、移住後の生活基盤が描けない地方の行政が移住定住を行っても移住率は低い。

下記氷見市の人口を自然増減・社会増減の推移を折れ線グラフで表した。

統計を取り始めている1993年からずっとマイナス、人口減少。自然現象で減るのは仕方ないとして、社会増減で減るのは、地域の魅力づくりが欠けていることが原因であるのが一目瞭然。

氷見市の人口自然増減・社会増減の推移

 

2016年以降社会増減の数が若干減っているが、地域おこし協力隊の移住も含まれる。

富山県内で人口増減において一番元気のあるのは、船橋村。

船橋村の人口自然増減・社会増減の推移はこちら

船橋村の人口自然増減・社会増減の推移

船橋村は、富山市からも近く、若者に人気があるため近年人口減少が緩やか。

地域おこし協力隊制度の導入や移住定住で都市部に宣伝PRにいかない富山県内唯一の市町村である。

 

街と郊外(田舎)の共生

氷見市では、冒頭で述べた通り、街と郊外で暮らす人々の共生が薄くなってきている。

そんな中でも、氷見中央ロータリークラブが長坂の棚田オーナー制度に登録し田植え稲刈りに貢献したり、民宿いけもりを中心としたひみ活性化サークルRYUの宿の方々、速川や脇之谷内地区での体験イベントで宿泊の受け入れを行って街と郊外の共生が行われている。

 せっかくウオーク等のイベントで、都会からの参加者に対して宿の受け入れ

 

全国的には、山梨県北杜市のNPO法人えがおをつなげて において、同市の和菓子屋さんが郊外の里山に訪れ、そこで豆を地域の人々と作り、それを実際に自分たちの店で販売することを行っている。

金精軒の畑 https://www.npo-egao.net/activity/tourism/pg418.html

 和菓子屋さんが農産物の生産に一部携わることで、

  • 社内間で普段コミュニケーションが取れない製造部門と販売部門の交流が出来き親睦が深まった
  • 実際に農産物を自分たちの手で作ることで、商品への愛着が深まった
  • 活動をすることで、宣伝広告費用をかけずとも宣伝効果が出ている

などの効果が出ている。

同様に、氷見市長坂の棚田オーナー制度においても、NICE FARMのご縁で、高岡市のスーパーフレッシュ佐武の従業員の皆さんが棚田オーナーになり、長坂のお米の理解を深めている。

自然栽培を行っているNICE FARMのメンバー

 

氷見市の農村部でも、まだまだ受け入れ態勢が整っておらず、氷見の街中との連携がとれるような仕組みづくりが急務であり、今来られよ氷見に出演した団体が計画している(仮称)氷見里山くらぶにおいて、さらに市内同士での地域連携を模索しようとしている。

 



氷見の里山連携したPR動画 「来られよ氷見」(19/09/06_16285)
まだ、見ていない方、是非見て欲しい。

2019年8月20日に、八代、稲積、長坂、速川、大野、脇之谷内に在籍する地域団体のメンバーが再度終結。

今後、さらなる中山間地域を連携させる組織づくりの発足にむけて勉強会が開催された。

2019年8月27日 富山新聞朝刊

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