山の田んぼと平野の田んぼ・美味しさ!稲刈り効率☆農家今昔物語 【米づくりの手順】

     

 平野部と山間部での米作り、素人目線では同じように見えるが、なんとなく、山側のほうが

水も空気も綺麗で、美味しいお米が採れる

イメージだとは思うが、平野部の米作りと同じ値段じゃないと高くて買えないといわれる。

しかし、農家さんの苦労を少しでもわかってほしくて今回稲刈りについて記述する。

 

 脇之谷内営農組合では、コンバインで稲刈りが行われている。

また、稲刈り時期は、十分稲穂が実った適期に行われているため、美味しいお米が作られる。

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コンバインでの稲刈りの様子

著者がこれまで、様々な場所でコンバインによる稲刈りのお手伝いをした結果、下記のような時間的な差を生じる。

10a当たり作業時間効率

単位;時間

山間部 平野部

砂質土圃場

(締固まった地盤)

3時間

1時間

粘土質圃場

(ぬかるみ有)

4時間

1.5時間

手刈り

(昔)

1日

1日

 

あくまでも個人的な体感であるが、

富山県では、

平野部では、集団営農組織(50ha)あれば、国からの補助・助成金を受けられる。

しかし、中山間部では、1集落での圃場が10ha未満(脇之谷内でも7ha)であり、

行政支援が受けづらい。

そのた今・平野部の集団営農組織では、大型機械の買い替えが安易に出来、結果同じ6条刈りの機械でも

刈り取り能力が、1.5倍以上速い。

中山間地域は、平野部の助成金支援の規制緩和されているといっても、

20ha以上の圃場を持つ組織を作らなければならず、

2~3地域との連携が必要条件となり難しい。

結果的に10年以上前の中古農機具を購入するしかない。

 

山の田んぼと平野部の田んぼの違い表

山間部

1集落:10ha未満

平野部

1集落:30ha以上

補助金制度

行政は、TPPに合わせて、大型機械・大型の圃場整備に力をいれ、それに対応する農家に支援をしている 

面積が小さく、手間暇がかかり、受けにくい

受けやすい
農業の大型化で、大型機械の導入、

農機具

10年前と今では、作業効率が1.5~3倍以上違う場合がある

新品を購入する農家は少ない

10年以上の減価償却を終えた農機具

助成金支援を受け、

最新農機具を購入

圃場の形

田んぼの形は、平野部は四角形で作業効率がよい。

区画されていない圃場は、山の形にあわせた三角形やいびつな台形

1枚あたりの田んぼの面積は、10a以下
圃場整備されていても10~20a前後

区画整理され、四角形

1枚あたりの田んぼの面積は、30a~50a

北海道は、200a以上ある圃場もある

山と平野部では、水温が異なる

山の田んぼは、空気も冷たいが水温も冷たく時間がかかる

10a当たり、7俵(420kg)のお米が採れる。豊作で8俵

10a当たり、平均8俵(480㎏)

豊作で、10俵(600kg)採れる場合もある

 

上記表の通り、中山間地域のお米は水が美味しく、空気が美味しいだけではなく、

手間ひまかけて美味しい米作りがされている。

同じお米でも10aあたり、山の田んぼと平野部の田んぼでは、1.4倍の収量があるが、生産者の顔が見えない販売を続けると

お米の価格を平野部の価格と同額にされてしまい、不情理を感じる。

だから、中山間地域では、離農する農家が増え、耕作放棄地が増える。

農協や米屋を通さず、直接消費者と販売するだけで、農家の所得は、今より1.5倍から2倍ほど増える。

そうなるためにも、私自身ブログを書き続け、体験交流を重ねることで

多くの都市農村交流、関係人口を築き、新たな担い手を増やしていきたい。

 

【コンバインの苦労話】

コンバインとは? 

稲の刈り取り、脱穀を一度に行う農業機械。

前部にバリカン状の刈刃が備えつけられ、稲を地面に垂直に引き起こしながら刈り取っていく。

刈り取られた稲は内部の脱穀機へと送られ、穂先から籾(もみ)だけが自動的に選別される。

籾をと選別された稲藁は、粉砕され、その場で散布される。

 

手刈りからコンバインに変わって田んぼの変化

粘土質の圃場でのコンバインでの稲刈り、8月の水切りをっかりできなければ、

泥濘(ぬかるみ)にコンバインが嵌(はま)って、作業効率が悪くなる。

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水切りが適切に出来なかった圃場 キャタピラ式のコンバインでもぬかるむ
コンバインが回転すると、圃場を痛めてしまうため、
回転せず前後にコンバインを操作し稲刈りを行う。

 

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四隅や泥濘(ぬかるみ)がひどい場所は、手刈り作業

 

 コンバインが入れない泥濘がひどい田んぼは、手刈りで行われる。

最新鋭のコンバインなら、1反の刈り取りスピードは、1時間程度だが、

10年前のコンバインなら、4時間以上かかる。

まして、これが手刈りとなると、その労働時間は、1日。

昔の人は、手刈りでされていたことに本当に頭がさがる。

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新型コンバイン クボタ ER447 クボタを試乗

従来脇之谷内営農にあるコンバイン(20年使用)よりも性能が1.5~2倍以上効率がよかった

 

【雑談・氷見の米作り今昔物語】

氷見市の十二町潟付近での米づくりでは、昔、小舟を出して、稲刈りをしていたそうです。

それだけ、水が多く、苦労されていたことが解ります。

また、多くの農家さんでは、稲刈り時期は、稲刈りを終えた後、

夜にはさがけを行い深夜近くまで農作業になっていたと聞いています。

ですから、家の人が娘には、

『絶対農家の嫁になるな』

と親が娘に話していたそうだとか・・・。

また、嫁ぎ先の条件でも、

お嫁さんが米作りをしないこと

条件にされて嫁いだという方もいらっしゃるほど、

昔の米作りは、大変なものでした。

手刈り・はさかけ と コンバイン・乾燥機 での お米の品質については、別で報告

 

 【生物多様性の田んぼ・脇之谷内】

手刈りを行っているときに、タニシを発見。

タニシも、水をもとめて、移動している。

生きるために、水がある場所を察知する能力に感動

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稲藁の中でひっそりと頑張って生きているタニシ

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タニシ

 近年タニシが住めるような環境ではない圃場が多い中、

こうやってタニシが生きていく稲にも生物にも優しい環境の圃場が出来るのは、

山の綺麗な水を使っている為と

適切な品質管理をしている

特徴の証ではないだろうか。

平成30年(2018年)のお米価格は、下記blogを参考にしてください

 

食味値91点の高評価!美味しいお米富山県産氷見市里山のコシヒカリ
/blog/13436

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