農薬今昔・消費者目線で調べてみました(種類・基準)【米づくりの手順】

     

先日一斉防除を行い、世間で非難を浴びている

農薬の種類、成分、昔と今、残留農薬の基準値 

について調べてみた。 まず平成30年度、氷見市農協管内では、一斉防除に使用された農薬は、

ビームスタークル粉剤5DL(1回目)

ラブサイドキラップ分剤DL(2回目)

である。

160806_一斉防除 (2)

一斉防除で使用する農薬

筆者が行った一斉防除の時期や方法については、前日のブログ投稿記事

自然環境を守り、最小限に行う丁寧な農薬散布と集落一斉防除 【米づくりの手順】/blog/12778

を参照にして頂きたい。

160806_一斉防除 (4)

農薬散布の様子

1.薬の分類

まず、農薬(薬物)は、医薬品医療機器等法で

毒薬、劇薬、普通

3種類に別けられる。

・毒薬;50%致死量(LD50)がおよそ30mg/kg以下の,毒性の強い薬。

・劇薬;LD50がおよそ300mg/kg以下の,毒薬よりは毒性の弱い薬。

・普通薬;LD50がおよそ300mg/kg以上の.比較的安全な薬。  

ネットでも薬の定義について、解り易く説明されているものが多く、是非目を通して欲しい。

筆者自身も調べてみたら、鎮痛剤として出回っているロキソニンは、劇薬扱い、

抗悪性腫瘍の薬は、毒薬が多いということを知り驚いた。

農薬ばかりが非難されるが、現代医療の分野においても、

人間は毒薬や劇薬を体内に入れている。

医師や薬剤師の指導管理のもと、生きる薬にも毒にもなる。

 話は農薬に戻り、氷見の米作りで取り扱われている農薬は、

ビームスタークル粉剤5DLとラブサイドキラップ粉剤の、普通薬。 

劇薬や毒薬ではないのは解ったが、食べる場合になったらどうなのか?

消費者目線で疑問に持ち、メーカーに直接電話して調べてみた。

(2016年8月 クミアイ化学工業聞き取り調査)

 

2.主成分について(ビームスタークル)

ビームスタークルという名前は、2種類の薬品が使われている。

ビーム;いもち病防除剤=トリシクラゾール 0.5%

スタークル;殺虫剤=ジノテフラン 0.35%

ジノテフランは、何と蜜蜂大量死で問題となっている

ネオニコチノイド系

お米づくりでは、1反(30m×30mの面積)あたり3kg使用しているので、

ビームスタークルという農薬の中にネオニコチノイド系のジノテフランの散布量は、

26グラム=にんにく3片程度の重さであることが解った。

では、農薬散布で撒かれているものは、何であるのか?

実は、農薬の大半(99.15%)が、石英 (2974グラム) である。

石英は、砂漠や砂丘の主成分であったり、

無色透明になると水晶であったりする、

土中にもともとある成分。

 

石英

石英( 【新潟の素敵な鉱物とひすいたち】 より

クミアイ化学工業(メーカー)では、

ジノテフラン(ネオニコチノイド)の残留調査を

放射線写真法試験(オートラジオグラム)

で下記の通り行っている。

(※ただし、散布ではなく、粒剤で圃場に水を張った状態で粒剤が溶けて浸透するタイプなので若干の差が生じる。)

出穂期にジノテフランを湛水処理し、処理後8日後にオートラジオグラムで撮影。

有効成分が稲穂全体に行きわたっているのを確認。

後日21日後に、籾を採取し、籾と玄米に分け、それぞれオートラジオグラムで撮影。

籾の残留はわずかであり、

玄米への浸透具合は、ほとんど見られなかった

以上の検査結果となった報告を受けた。

また実際に、メーカーに見学に行くと、その検査結果データを教えてくれるそうです。

 

3.主成分について(ラブサイドキラップ

ラブサイドキラップという名前は、2種類の薬品が使われている。

キラップ;殺虫剤=エチプロール 0.5%

ラブサイド;いもち病防除剤=フサライド 0.35%

エチプロールは、ネオニコチノイド系ではない。

ビームスタークル同様お米の圃場1反あたりラブサイドキラップを3kg使用しているので、

エチプロールの散布量は、10.5g で にんにく1片程度である。

0.85%が農薬成分のキラップとラブサイドであり、

主成分の99.15%は、石英 である。

『なぜ石英を仕様するか?』 

と尋ねたところ、

本当に害虫や病気に効果のある薬を散布するのにあたって、

少量すぎて均一に撒くことが難しい。

そこで、生産者である農家さんが取り扱いやすくするために、

無害である石英を仕様し、

石英と薬を溶け合わせ

にして均一にするために界面活性剤が使われているとのことでした。 ・ ・ ・納得。

 

4.昔の農薬と今の農薬

 1960年代の農薬は、

1反あたりkg単位で散布されていたが、

今はわずか数グラムの散布で、

カメムシに効く高活性(低負荷型)農薬の開発に至った。

 kg単位で、散布しないと均一に農薬が撒けないものが、

無害な石英を仕様することで、わずか数グラムの散布でもカメムシに効果があることが判明したらしい。

当時の農薬散布の話をいろいろな人に聞くと、富山県では、ヘリコプターを使用し、

上空から民家も田んぼも関係なしに散布していて、大変だったようだ。

そんな散布方法だから、蛍もタニシも死んでしまうのも納得。

そんな昔の劇薬農薬時代でも、人々は普通にお米を食べてきた。

農水省のお役人さんも農薬を開発する技術者さんも 

自分たちが食する主食 だから、

日々研究技術向上をされて今があるのだと思いたい。

詳しくは、

AJINOMOTO> 商品情報 確かな商品をお届けするために> 食の安全についてうかがいました> 第3回 農薬 昔の農薬と今の農薬との違い

http://www.ajinomoto.co.jp/products/anzen/know/chemicals/index_03.html

 

5.残留農薬の基準値

農薬は、お米だけではない。市場に出回っている野菜にも農薬が使われている。

慣行農法における野菜農家の散布

散布後出荷し消費者が口にする時の残留農薬の基準が定められており、私たち消費者も

公益財団法人 日本食品化学研究振興財団で、 

残留農薬の基準値 http://db.ffcr.or.jp/  で検索できる。

例えば、上記ネオニコチノイド系農薬であるジノテフラン

玄米では、残留農薬基準値が2ppm以下であるが、

ケール、小松菜、チンゲン菜では、10ppm以下となっている。

小松菜だったら、玄米よりも8ppmも高い基準値で市場に出回っていても認可されているということ。

残留農薬等ポジティブリスト制度について>基準値検索基準>ジノテフラン

http://db.ffcr.or.jp/front/pesticide_detail?id=29400  

 

6.農薬についてのまとめ

慣行農法での農薬の取り扱い、歴史を調べてみて、農業の知らない世界を改めて理解出来た。

農薬や肥料を一切使用しない自然栽培の場合、体に良いことは理解出来るが、

作物と草との戦い、作物を雑草よりも秀でて育成させる技術や管理は、本当に難しいものである。

しっかりと圃場を管理されている自然栽培農家さんには、頭が下がる思いでいっぱいです。

筆者自身も農薬否定派であり野菜に関しては、自然栽培、有機栽培を実行しているが、

自然栽培や有機農法だけでは、里山の景観を守る(多面的機能)という観点では、

生産者の高齢化、担い手不足というかなり厳しい現実の課題と問題があることに直面して難しいところである。

そのためにも、農業は厳しい職業ではあるが、人間らしい暮らしや営みを日々体感できる充実ある職業でもあり、

里山にチャレンジしたくなるような人に、この投稿が届けばと思っています。

また、生産者にはなれないという人々には、里山を支援するファンになって頂けたらという思いがあります。

そういった意味で、筆者は、毎回里山の人々を主役とした都市農村交流の体感ツアーを企画し、

都市部住民のファン拡大、担い手候補を模索しています。

160806_脇之谷内縮小

脇之谷内でのお米の全体生産高は、僅か30tほどしかない貴重なお米。

30kgの米袋にしたら1000袋前後。

ほとんどが、自家消費であり、一部市場に出荷も氷見市農協と某米店のみで、ほとんど市場に出回っていない。

もし、本ブログファンで、筆者と面識のある方がいれば、

2350円/5kg(コシヒカリ)で購入をお願いしたい

30年度出荷予定は、100袋/30kg(少量販売可能)を予定しています。

値段価格は、下記blogに記述

食味値91点の高評価!美味しいお米富山県産氷見市里山のコシヒカリ
/blog/13436

 

また、今後氷見の他の中山間地域における米づくりの情報発信も行い、

氷見米の品質向上、生産者の安定収入に繋げていきたいと考えています。

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