2018/12/18
椎茸
氷見市仏生寺地区脇之谷内は、仏生寺椎茸の産地
椎茸は、不老長寿の妙薬と言われ、江戸時代の学者 新井 玄圭は、「食物摘要大全」に
「椎茸は、気を益し、飢えず、風邪を治し、血を破る」と書いている。
椎茸の成分は、ビタミンB1、B2、ナノアシン、ビタミンD2、を多く含み、
ミネラルだと、カルシウム、リンを多く含む。
さらに、食物繊維、エリタデニン、レンチナン、インターフェロンなども含む。
肥満、高血圧、糖尿病、動脈硬化などの成人病を予防し、がん細胞の増殖を抑制する働きがあり、
各種ミネラルや食物繊維を含む低カロリーの健康食品であることが明かになっている。
「最新シイタケの作り方 日本きのこ研究所」より
椎茸栽培方法
仏生寺椎茸は、昔ながらの原木栽培方法で作られている。
10月 伐採準備 下草刈り
近年、山の管理がなされていないケースが多く、笹が群生している。
笹や雑木を処理する。
11月 原木伐採
原木椎茸栽培は、秋にコナラやクヌギなどの落葉樹を使う。
落葉樹でも、
椎茸は、辺材(しらた)の部分に菌が回るため、心材が多い栗の木は使用しない。。
葉っぱが紅葉する直前の青いうちに伐採し、残った葉が、木の水分をくみ上げる
特に、クヌギは、水の吸水が悪いので、葉が青いうちに伐採を行わなければならない。
12月 玉切り・出材
栽培管理しやすい90㎝から120㎝の長さのほだ木をつくる。脇之谷内では、90㎝を推奨。
玉切りしたほだ木は、山から出材し、伏せ込み場所に近い場所まで移動させる。
集材・出材の詳細は、こちら
こだわりの仏生寺椎茸/原木栽培方法(集材・出材)
/blog/15769
2月~3月 種菌の接種
ほだ木に椎茸菌を打ち込む
縦方向に20㎝、横方向に5㎝間隔で、駒菌を打ち込む
2月~5月 仮伏せ
ほだ木は、直射日光や風を当てないように管理する。
仮伏せ期間は、梅雨前までとする。
5月~ 周年 本伏せ
風通しのよく、直射日光の当たらない場所で椎茸菌糸をほだ木内に蔓延させる
伏せ込みには、伏せ込み場所にあわせた型を行う
植菌された椎茸は、1年間日陰の涼しく、適度に乾燥した場所で菌を増殖させ、
2年目から収穫を行う。
直径15㎝程度のほだ木の場合、3年程度椎茸が採取出来る。
浸水
ほだ木に水を浸け、水分や温度刺激を与える。
芽出し
ビニールハウス内で、安定した温度の中で、椎茸を派生させる。
採取
規格サイズまで大きくなったものを摘み取る
仏生寺椎茸
かつては、多くの家で椎茸栽培を行い、出荷していたが、今は、1軒の栽培農家となっている
椎茸栽培農家が無くなった理由は、昭和60年代頃に菌床椎茸の生産が現れ、椎茸価格の下落、
中国産シイタケの輸入による価格の下落などがある。
仏生寺椎茸の特徴は、中肉で味が濃厚である。
この道50年の六田敏夫さんを中心に栽培が行われ、
菌床椎茸と原木椎茸の食べ比べたら、味の違いは、一目瞭然である。